13.FXにおけるテクニカル分析(チャート分析)

FX(外国為替取引)におけるテクニカル分析とは、過去の価格やチャートパターンを分析して、未来の値動きを予測する手法です。主に短期トレード(デイトレードやスキャルピング)で活用されますが、中長期トレードにも応用できます。


1. テクニカル分析の基本

テクニカル分析は、以下の3つの基本的な考え方に基づいています。

① 価格はすべての情報を織り込んでいる

経済指標やニュースなど、すべての情報は価格に反映される ため、価格の動き(チャート)を分析することでトレンドを予測できる。

② トレンドは続く

相場には一定の方向性(トレンド)があり、一度発生すると継続しやすい。トレンドを見極めることが重要。

③ 歴史は繰り返す

過去のチャートパターンは繰り返される ため、過去のパターンを学ぶことで未来の動きを予測しやすい。


2. チャートの種類

FXでは、以下のようなチャートが使われます。

① ローソク足チャート(おすすめ)

  • 最も一般的なチャート
  • 「始値」「終値」「高値」「安値」 を1本のローソク足で表現
  • 相場の勢いやトレンドが分かりやすい

💡 ポイント

  • 陽線(白 or 緑) → 終値が始値より高い(上昇)
  • 陰線(黒 or 赤) → 終値が始値より低い(下落)

📌 初心者はローソク足チャートを使うのが基本!


② ラインチャート

  • 終値だけを結んだシンプルなチャート
  • 全体のトレンドを把握しやすい
  • 詳細なエントリーや決済の判断には向かない

③ バーチャート

  • ローソク足と似ているが、視認性が劣るためFXではあまり使われない

3. トレンドの見極め方

FXでは、「トレンドに乗る」ことが重要です。

① 3つのトレンド

  1. 上昇トレンド(アップトレンド) → 価格が継続的に上がっていく
  2. 下降トレンド(ダウントレンド) → 価格が継続的に下がっていく
  3. レンジ相場(ボックス相場) → 一定の範囲内で横ばいの動きをする

💡 トレンド相場では順張り、レンジ相場では逆張りが基本!


4. 主要なテクニカル指標(インジケーター)

テクニカル分析では、以下のインジケーターを活用します。

① 移動平均線(MA:Moving Average)

  • 価格の平均を線で表示し、トレンドを判断する
  • 短期線(5日, 10日) は細かい動きを捉える
  • 長期線(50日, 100日, 200日) は大きなトレンドを把握する

📌 ゴールデンクロス(買いサイン) 短期線が長期線を上抜け → 上昇トレンドのサイン

📌 デッドクロス(売りサイン) 短期線が長期線を下抜け → 下降トレンドのサイン


② RSI(Relative Strength Index)

  • 買われすぎ・売られすぎを判断するオシレーター系指標
  • 0~100の間で推移

📌 RSI 70以上 → 買われすぎ(売りサイン)
📌 RSI 30以下 → 売られすぎ(買いサイン)


③ ボリンジャーバンド

  • 価格の変動幅(ボラティリティ)を測る
  • 中央線+上下のバンド(±1σ, ±2σ, ±3σ)

📌 価格が+2σを超える → 反落しやすい(売り)
📌 価格が-2σを下回る → 反発しやすい(買い)


④ MACD(マックディー)

  • トレンドの転換点を捉えるインジケーター
  • MACD線シグナル線 のクロスを活用

📌 MACDがシグナル線を上抜け → 買いサイン
📌 MACDがシグナル線を下抜け → 売りサイン


5. チャートパターン分析

特定の形が形成されると、相場の転換点になりやすい。

① ダブルトップ & ダブルボトム

  • ダブルトップ「M字」 で形成され、下落のサイン
  • ダブルボトム「W字」 で形成され、上昇のサイン

② ヘッドアンドショルダー

  • 「三尊(さんぞん)」 とも呼ばれる
  • 中央の山が最も高い形状 → 下落のサイン

③ トライアングル(三角持ち合い)

  • 価格が収束し、どちらかにブレイクしやすい
  • ブレイク方向を見極めてエントリー

6. FXテクニカル分析の実践手順

① 相場環境をチェック

  • 上昇トレンド? 下降トレンド? レンジ相場?

② インジケーターを活用

  • 移動平均線、RSI、MACDなどを組み合わせる

③ エントリーと決済を決める

  • 「ゴールデンクロス+RSI30以下」で買いエントリー
  • 「デッドクロス+RSI70以上」で売りエントリー

④ リスク管理を徹底

  • 損切り(ストップロス)を必ず設定
  • 1回の損失は資金の1~2%以内に抑える

7. テクニカル分析 vs ファンダメンタル分析

テクニカル分析ファンダメンタル分析
目的チャートの動きで未来を予測経済指標やニュースで相場を分析
分析手法インジケーター、パターン分析GDP、金利、雇用統計、政策
投資期間短期~中期中期~長期

📌 デイトレードやスキャルピングではテクニカル分析が中心
📌 長期投資ではファンダメンタル分析が重要


まとめ

テクニカル分析は、チャートを使って相場の動きを予測する手法
初心者は「ローソク足」「移動平均線」「RSI」から始めるのがおすすめ!
トレンドを見極め、ブレイクアウトや押し目買いを狙うのが基本戦略
損切り(ストップロス)を必ず設定し、資金管理を徹底!

初心者はデモトレードで練習し、少額で実践するのが成功への第一歩です!