MT4(MetaTrader 4)およびMT5(MetaTrader 5)は、世界中のFXトレーダーに広く利用されている人気のある取引プラットフォームです。特に自動売買プログラム(エキスパートアドバイザー、EA)や高度な分析を行いたいトレーダーにとって非常に便利なツールで、初心者から上級者まで様々なユーザーに対応しています。以下で、MT4とMT5の違い、特徴、利用方法を詳しく解説します。
目次
1. MT4とは?
MT4は、2005年にMetaQuotes社が開発したFX取引専用のプラットフォームです。今でも世界中のトレーダーに愛用されており、特に自動売買(EA:エキスパートアドバイザー)機能が人気です。
📌主な特徴
- シンプルで直感的な操作: 初心者でも比較的使いやすいインターフェース。
- 自動売買(EA): 自動売買プログラムを作成したり、外部の自動売買プログラム(EA)をインストールして、取引を自動化できます。
- 豊富なテクニカル分析: 30種類以上のインディケーター(指標)と、50種類以上の描画ツールが利用可能で、チャート分析に非常に強いです。
- バックテスト機能: 自動売買プログラムを過去のデータを基にテストでき、実際の運用前に戦略を確認できます。
2. MT5とは?
MT5は、MT4の後継として2010年に登場したプラットフォームです。MT4よりも機能が強化され、より多機能で柔軟な取引環境を提供しています。特に、株式やCFD(差金決済取引)など、FX以外の取引にも対応しています。
📌主な特徴
- 多機能で高度な分析: MT5はMT4よりも多くのインディケーター(38種類以上)やタイムフレーム(21種類以上)があり、より詳細な分析が可能です。
- 取引の種類が豊富: MT5は、FX取引に加えて、株式、先物、オプション、CFD(差金決済取引)など、さまざまな金融商品の取引をサポートしています。
- より強力な注文機能: 新たに追加された注文タイプ(例えば、”Fill or Kill”など)や、複数の注文タイプが選べます。
- 高度なバックテスト: MT5のバックテストは、よりリアルタイムでの精度高いシミュレーションが可能で、ヒストリカルデータを複数の通貨ペアや時間枠で同時にテストできます。
- 高度なチャート機能: MT5では、最大100のチャートを開いて同時に分析ができ、取引に役立つ情報を一目で見ることができます。
3. MT4とMT5の違い
特徴 | MT4 | MT5 |
---|---|---|
提供年 | 2005年 | 2010年 |
対応商品 | 主にFX | FX、株式、CFD、先物、オプションなど |
テクニカル指標 | 30種類以上 | 38種類以上 |
タイムフレーム | 9種類 | 21種類 |
自動売買 | EA(エキスパートアドバイザー)あり | EA(エキスパートアドバイザー)あり |
バックテスト機能 | 過去データを基にしたバックテスト | 高度なバックテスト、複数通貨ペア対応 |
注文タイプ | 基本的な注文タイプ(マーケット、リミット、ストップなど) | より多彩な注文タイプ(Fill or Killなど) |
プログラム言語 | MQL4 | MQL5 |
4. MT4/MT5の使い方
(1) インストール
- 公式サイトからダウンロード: MT4/MT5は、MetaQuotes社の公式サイトまたは取引業者のサイトから無料でダウンロードできます。
- インストール: ダウンロードしたファイルを開いてインストールします。
(2) アカウント作成
- FX口座の開設: MT4/MT5はFX口座と連携して使用するため、証券会社で取引口座を開設してログイン情報(ID、パスワード)を入力します。
- ログイン: インストール後、プラットフォームを起動し、証券会社(取引業者)から提供されたログイン情報を使ってMT4/MT5にログインします。
(3) チャート分析
- チャートを開く: 任意の通貨ペアや商品を選んで、リアルタイムのチャートを表示できます。
- インディケーターを追加: 30種類以上のテクニカル指標を使用して、チャート分析を行うことができます。
- 描画ツール: トレンドライン、サポートライン、抵抗線などを手動で描画して、トレンドの分析が可能です。
(4) 自動売買の設定
- EAのインストール: 自動売買を行いたい場合は、外部からEA(エキスパートアドバイザー)をダウンロードしてインストールします。
- バックテスト: 自動売買プログラムが実際の運用に耐えられるかを、過去のデータを基にテストして確認します。
(5) 取引の開始
- 注文を出す: 市場価格で買う(買い注文)、売る(売り注文)を、必要な数量を指定して注文します。MT4/MT5では、リミット注文、ストップ注文などさまざまな注文方法があります。
5. MT4/MT5を使うメリットとデメリット
📌メリット
- 豊富な分析ツール: 高度なテクニカル分析が可能で、さまざまなインディケーターや描画ツールを使用できます。
- 自動売買の利便性: 自動売買(EA)を活用することで、24時間の取引を自動で行い、感情を排除して取引できます。
- カスタマイズ性: プログラム言語(MQL)を使って、自分だけのカスタムインディケーターやEAを作成できます。
📌デメリット
- 初心者には少し複雑: 高度な分析機能や自動売買機能を使うには、ある程度の学習が必要です。
- 独自のプラットフォーム: 他の取引ツールに比べてインターフェースが独特なので、最初は慣れが必要です。
📌まとめ
MT4とMT5は、世界中のトレーダーにとって非常に強力な取引プラットフォームです。特に自動売買(EA)を活用することで、手間なく取引を行うことができます。MT4はシンプルで使いやすく、MT5はさらに多機能で進化したプラットフォームです。自分の取引スタイルに合わせて、MT4またはMT5を選んで使い始めることをおすすめします。